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とんぼ玉をはじめ、いろんな手作りの楽しさが伝わればいいな。
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ゆれる。印象に残る映画です。

揺れ動く心を象徴するような吊り橋。
そこで起きた事件を中心に、兄弟のゆれる心を描いた映画。
都会と田舎のはざまで。夢と現実のはざまで。
そしてひとりの女性をめぐって。

田舎で家業を次いだ真面目な兄・稔と
上京していて何年ぶりかに帰郷した自由奔放な弟・猛、
そして2人の幼馴染みの智恵子の3人は渓谷に行き
そこで智恵子は吊り橋から落下して死んでしまう。
一緒に吊り橋を渡っていた稔が突き落としたのか。

猛はその事態を目撃し、兄をかばう行動に出る。
しかし稔は罪の意識に耐えられず、自分が智恵子を突き落としたと供述。
逮捕され、裁判へ。
はじめは稔をかばっていた猛だったが、一転して巧みな嘘をついていく稔に嫌気がさし
本当の兄を取り戻すためにと、自分が目撃した事実を裁判で語る。
兄が智恵子を突き落とした、と。
そして兄は有罪に・・・。

ここまでは私もまあ、そういう話なんだなと思って観ていたのだけど
いきなり、どんでん返しが待っていました。

稔の出所間際、幼い頃の8ミリを観る猛。
幼い兄弟があの渓谷で岩場をよじ登っている。
猛に手をさしのべる稔。
その8ミリ映像と交互に、猛の脳裏で智恵子が吊り橋から落ちていく場面が思い起こされる。
幼き日の岩場で稔のさしのべた腕につかまる猛。
吊り橋で稔のさしのべた腕につかまる智恵子。
しかし力及ばず、稔と智恵子の腕はゆっくり離れていく。

私は「え~!?」と言ってしまいました。
突き落としてなかったのか!助けようとしてたんだ。
こういう思い込みによる記憶の加工の話を
私は初めて観たものだから、かなり驚かされてしまった。
(助けようとしていた、という方が記憶の加工だとも取れるけれど)


そういえば面会に来た猛に対し、稔は言っていましたね。
「初めから人を疑って、最後まで信じようとしない。お前はそういう奴だよ。」

8ミリの映像は、吊り橋を渡る幼い兄弟の姿を映し出して、終わる。
猛が自分の記憶の加工に気づき涙するこのシーンは
感動するのが普通だけど、私は驚きが先立ってしまった。
しかも私はいつも映画観ながら突っ込んでしまうから
一緒に観ている旦那が気の毒。
おかげで感動出来なかったらしい(゜д ゜;

でも映画ラストの流れがよかった。
猛が出所した稔の姿を見つけ、追いかけていくシーン。
「うちに帰ろうよ!」と叫ぶ猛に気がつき微笑む稔。
次の瞬間にバスに遮られてしまった兄弟は、その後どうなったのだろうか。


この映画は人の記憶の加工や曖昧さを取り上げ
尚且つ”そういうもんだよ”と甘受する傾向も感じとれるけれど
映画をきっかけに冤罪についても考えてしまいました。
推定無罪の原則を忘れているのか、まさかこんな記憶の加工が
多いからなのか、冤罪は本当に多いらしいですね。
裁判員制度が決まったけど、素人にやらせて大丈夫なのか。
自分が冤罪にされるのはもちろん、冤罪にしてしまうのだって嫌だし。
しかも私はちょっとでも疑問に思うと
とことん突き詰めたくなってしまうから判決下せないかも…。
いや、それ以前に短い期間で法律を勉強させられたって覚えられるわけがない!
う~ん、やっぱり裁判員制度は無理があるんじゃないかな。


(パイレーツ・オブ・カリビアンのロードショーが始まった~すごく観たい。)

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» そういうもんだよ
こんにちは!
コメントTBありがとうございました。
家などパーソナルな空間にて複数人で映画を見る時、
僕は喋られるのを嫌い「うるせぇ」とか言っちゃうんですが、
そのくせ自分が集中力を切らしたらいろいろちょっかいを出すという、
割と天邪鬼な人間です。
この場を借りて謝りたいと思います。
ごめんなさい。
とはいっても僕の場合はほとんどが一人で鑑賞しているんですけれども。
さて本作ですが「そういうもんだよ」というスタンスを、
僕も感じ取りました。
受け入れ、かつ突き放しているような、
演出も脚本もよくできてるなぁと、監督の才能に驚くばかりです。
現象 URL 2007/05/26(Sat)19:32:43 編集
» TBありがとうございました
こんばんは♪
この映画は昨年のマイベストワンです。
ラストの余韻の残し方が良かったです。
兄はバスに乗るようにも、乗らないようにも解釈できますよね。
事件の真相は最後までわからずもやもやした部分も残りますけれど、兄と弟、田舎と都会、そういうものが重層的に出てきて深い作品になっていたと思います。
ミチ URL 2007/05/26(Sat)22:24:59 編集
» 旦那です
感動はしたよ。ただ、人前では泣けないだけ(笑

皆さんのおっしゃるとおり西川美和監督の
才能はすごい。前作の蛇イチゴは
忘れる事のできない作品です。
次回作にかなり期待☆
ジョン 2007/05/26(Sat)22:44:20 編集
» 見てみたい
詳細な解説で見てみたくなりました。
邦画ってやっぱりいいですね。

ハリウッドにはない細かな心情描写がうまいなぁと思います。
大事なことは推して知るべしって感じでしょうか。
みなまでいうべからずというか。

もうロードショーは行っていないんですかね。
DVDなどあったら見てみます。

カリビアン!速攻で見に行きたい…。
でもその前に前作のおさらいかな、やっぱり。
11ch 2007/05/27(Sun)16:06:07 編集
» TB,コメントありがとう!
>現象さん
あははっ☆
でも誰かと観てるとちょっかい出したくなっちゃうし
自分にとってイイ場面だと集中したいもんですよね~
本作は本当によくできた内容でしたね。
私はかなり驚かされちゃいましたし(^^*


>ミチさん
ベストワンですか!
やっぱり質が高い映画ですよね。
事件の真相に疑問が残る流れも上手いですし
相反するものの関係の描写も生々しかったですね♪


>ジョン
そっか、人前で泣けないのはみんなそうじゃない?(笑)
(普段話してる内容をネットに書くのは不思議な感じ笑)


>11chさん
本作はDVDで観たんですよ☆
心情描写は本当にリアルです。
大事なことも真実も難しいですよね。
それぞれの意識の中で、微妙に形が違ってくるんだろうなあ。
今またパイレーツ1をTVで観てる・・・(笑)


まさみ 2007/05/27(Sun)22:01:58 編集
» こんにちは☆
こんにちは~☆TB&コメありがとうございました。
本作、私より先に見た知人から「エッチのシーンがアーティストチックで、果物の潰れる映像やナントカ(忘れた)で演出してたり、映像が凄いよ!」と薦められてから鑑賞したので、知人の言ってた映像を探すのに必死になりなんだか訳ワカメのまま終わってしまいました…(悲)そんなシーン無かったし。

でもたしかにアングルとか演出は凄く良くて、女流監督とは思えない捉え方といい、良い映画だと思います。
ももも URL 2007/05/28(Mon)11:41:44 編集
» もももさんへ
そんなシーンなかったのか~(笑)
私も果物の潰れる映像には気がつかなかったなあ・・・
女流監督だったんですね!
やばい、今頃知りました。。(^_^;
まさみ 2007/05/28(Mon)22:10:06 編集
» 無題
去年みた映画のなかでは
群をぬいてすごい作品でした。
「ゆれる」というキーワードが
いろんなところへかかっていて。

人の思い込みでそこにある真実が
こうも解釈が変わってしまったら
確かにそれに翻弄されて人の一生が決まってしまう裁判なんかは
とっても恐ろしいものを感じますね。
ましてやそうしたのが身内の証言となると。

それは一時の感情にまかせて
言うてしもたではすまされないわけで。

人の心を見透かしてるような
あまりに敏感な兄にもたいがい寒いものを
感じましたけど、
兄弟げんかで済まされない弟の証言も
人の運命を振り回したという意味において
残酷なものだと思いました・・・。
Ageha URL 2007/05/31(Thu)11:34:10 編集
» Agehaさんへ
TB、コメントありがとうございます!

私なんかは観終わった後もしばらく驚きを引きずって
「記憶違いで7年もぶち込まれるなんて!?!」
と随分と騒いでおりました(笑)
記憶違いは、故意なのか思い込みによるものなのかはわからないけど、たしかに言うてしもたじゃ済まされないですよね~。
兄も反論しなきゃ~・・・
一番振り回されたのは、何気に弁護士の叔父さんかも(^_^;

ただ兄が弟に最後に笑顔を見せたことは良かったなと思いました。
兄もふっきれたものがあったのかな。
まさみ 2007/05/31(Thu)21:00:30 編集
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