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とんぼ玉をはじめ、いろんな手作りの楽しさが伝わればいいな。
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遥か昔から続く、人の歴史の中。
あらゆる場所や時代に、忽然と現れ、人間とは何か?という問いを抱きながら
人の心の光と闇を、興味深く見つめ続ける「不思議な少年」。

この漫画は哲学的で、奥が深いです。
漫画版ナウシカに次いで、とても面白く読んだ漫画でした。
特に第一話の「万作と猶治朗」は、何とも壮絶なストーリー。
終戦直後の、ある兄弟にスポットをあて、
聖書に出てくる最初の殺人、カインとアベルになぞらえるかのように
「殺人」と「兄弟」というキーワードのもと、ストーリーは進んでいく。


終戦を迎えた日本で、幼い兄弟・「万作と猶治朗」の一家は、
父親の故郷へと向かう列車の中にいた。
人の心を操れる不思議な少年は、弟の猶治朗になりすまし
兄の万作と、その家族に近づく。
舞台は「鬼舞家」・・・鬼の舞う、魂のおどる家。
不思議な少年は、何気ないやりとりの中で、
度々「人間とはどういうものか」を語る。

そして話は、祖父の遺産相続問題に絡んでいく。
万作と猶治朗の祖父「満之助」。
これがまた恐ろしい男で、富を得るためには手段を選ばす
果てには、財を狙う自分の兄弟すら毒殺したという過去を持っていた。
不思議な少年は言う。
「それこそが人間らしい生き方だったのさ」と。

いまわの際の満之助を看取るためにやってきたと言う父親だが、
弟の「郡司」に財産目当てと罵られ、口論のあげくに・・・
ここがこの話の怖さのピークかも知れない。
「見せてあげよう万作。父さんの魂がおどるところを」
次の瞬間、万作は父親が郡司を殺すところを目の当たりにすることとなる。

その現実を拒絶するあまり万作は、「全部なくなれ!」と叫ぶ。
その願いどおりに洪水を引き起こし、屋敷もろとも壊滅させる不思議な少年。

しかし、本当は万作は、”全部なくなれ”と願ったのではなく、
願ったのは”みんないなくなって全部僕のものになれ”。

ここからが二元論的ではない強烈なくだりとなっていく。
天使の羽を生やした(正体をあらわにした)不思議な少年によって
洪水から助け出された万作は、切なくて、哀しい、けれど美しい笛の音を聞く。
それは洪水にのまれゆく満之助が奏でるものだった。

「これが、欲望のままに生きた人間の奏でる調べなの?」

ふたりは同じ思いを抱く。
「人間って不思議だ・・・・・・」
 

 不思議な少年はいつのまにか消え去り
もとに戻った猶治朗を抱きしめながら万作は
自分の人生がこれから先、何かに試されることを悟る。

兄弟を殺した祖父と父親。
そして大人になった万作と猶治朗は・・・
 


人の不思議。命の不思議。
それをどこまで感じ続けていられるだろうか。
命は「美しい・醜い」「好き・嫌い」で区別するものでもない。
人間というものは、角度を変えれば様々な形を成していて
表向きしか見ていないと、どうしても偏った捉え方をしてしまいがちです。

けれど、こうした「不思議な少年」のような視点は、
時に残酷な世界の中で、どう現実と向き合うか
客観的に自身に問いかけるきっかけにもなる。
それは即ち、偏ったものの捉え方に縛られそうな時、
ふいにそこから引き戻してくれるのです。

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